HOST TOWN SUMMIT 2020

内閣官房 東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局

ホストタウンの高校生による発表

ファシリテーターである榎田竜路氏(合同会社アースボイスプロジェクト代表社員)のナビゲーションにより、発表校である玉川学園高等部、徳島県立徳島商業高等学校、山形県立酒田光陵高等学校の紹介とコメントをいただきました。各高校からは動画でのメッセージなどをいただいていますので、ご覧ください。

榎田竜路氏;

私はオリパラの経済・テクノロジー専門委員として、日本の未来を拓くためには「新しい価値」を生むことのできる人材を、地域に増やしていくことが重要だと考え、それを実現するための手法を開発し、全国で展開してきました。

その活動の中で実感していることは、高校生の伸び代の大きさです。ものの見方が硬直していない彼らの可能性は、文字通り無限大と言えます。また日本において、数少ないイノベーションを生み出すフィールドも高校です。

日本の大人社会は他国と比べ、「失敗は成功の元」として受け入れられる土壌が貧弱で、大人たちは失敗に対して日々強力なプレッシャーを感じながら、ストレスフルな毎日を送っています。

私は、各地で高校生に対する指導も行なっていますが、高校生と大人たちが一緒になって、試行錯誤しながら新しい価値を生み出していく仕組みを、全国で構築することができれば、イノベーティブな社会が実現すると確信しています。

今回、ホストタウン事業に関わる高校生たちの活動を知る機会に恵まれ、大変嬉しく思っています。

これから、全国から選ばれた三校の活動のプレゼン動画を発表していただきたいと思います。

ではまず初めに、玉川学園のプレゼン動画です。

玉川学園高等部

榎田竜路氏;

玉川学園では、実際に10年程前から希望者の生徒が毎年夏に9日間ほど南アフリカに研修に行っていたということが大きいですよね。そんな生徒たちでも、9割が「町田市が南アフリカ共和国のホストタウンになっていることを知らなかった」というアンケートの結果を受け、ホストタウンの知名度を上げるための取り組みが始まったところは、多くのホストタウン担当者の皆さんに響くのではないでしょうか。せっかく頑張ってホストタウンになったのに、中々市民にそのことや意義が伝わらないということは、どこのホストタウンも経験していることと思います。その核心的なところを、高校生がサポートしていったという点が素晴らしいと思います。私は担当の先生と電話でいろいろ話したのですが、「生徒も教師も、学校外の人たちと深く関わることができて、成長することができました」という言葉が印象的でした。

さて次は、徳島商業高校ビジネス研究部のプレゼン動画です。

徳島県立徳島商業高等学校

榎田竜路氏;

徳島商業高校のビジネス研究部は2012年からカンボジアの高校の支援を行うために、共同商品開発等の交流を行いながら、国際的なビジネスセンスを磨いてきたそうです。その縁を通じ、徳島県がカンボジアのホストタウンになったということで、今では徳島のホストタウン特使としての活動を行うまでになっている。高校生の活躍が大きな影響を持つようになってきています。

四国のお遍路文化である「お接待」を、部活動で培った経験とスキルを活かして広げているという印象です。自国の料理を食べたいというジョージアのアスリートの願いに応え、現地の伝統食であるハチャプリを、地元のパン工房と共同で開発したり、自分たちが普段から関わっている、美波町でのアウトドア体験をアスリートに提供したりと、普段の活動を活かした「おもてなし」を行なっている点が、素晴らしいと感じました。徳島商業高校も、地域の大人と共同することで、様々なホストタウン活動を行なっています。高校生が主体的に動くことで、大人だけでは成し得ない体験を生み出している。「失敗できるフィールドとしての高校」という機能を存分に果たして、大人の意識改革にもつながっているようです。

最後は酒田光陵高校ビジネス流通科プレゼン動画です。

山形県立酒田光陵高等学校

榎田竜路氏;

酒田市福祉課の方による出前講座で障害者の給料のあまりの低さに驚き、なんとか改善できないかと考え、販路拡大等の協力を始めたのが、今に繋がっているということでした。

酒田市は公益のまちづくり条例があり、平成20年4月1日から施行されているそうです。生徒たちの活動を知った酒田市交流観光課、東北公益文科大学ニュージーランド研究所の先生から声がかかり、ダイバーシティ・インクルージョン国家として有名なニュージーランドとの関わりが生まれたとのこと。

そして、SEAとして来日していたニュージーランドのボート競技のコーチと連携が始まり、生徒たちはインターナショナルなセンス触発がされることになります。ニュージーランドとつながることで高校生の視野がどんどん広がっていきました。

活動を続ける中で、商店街からの声もかかるようなったそうです。ホストタウンに関わることで、さらに活動は活発になり、現在に至っています。
ここでも、生徒たちと大人たちの気づきが生まれ、新しい連携の形がどんどん展開して、地域社会と地域経済に新しい道を拓きはじめているということを強く感じました。担当の先生から、生徒たちには常に「失敗こそが、自分のプロフィールになる」と話していると伺い、その言葉に感動しました。